TOP>叫びの壷
壺の中に向かって大声で叫ぶとその声が小さくなる商品です。
壺の中には音が小さくなるようなミュート機能を備えており、口に当てて大声で話してもその中の消音機能の中を音が通ることで音が小さくなります。
ストレス解消や歌の練習など様々な用途に使用できます。
もともとこの商品のコンセプトであるストレス発散には大きな声を出すことが大切であるということがありました。
でも家や会社でも大きな声を出すことが出来る場所はカラオケボックスぐらいしかありません。
そこでどこでも大声で叫んでストレス解消ができるグッズを作ろうと思いました。
さらにその形を何にしようかと考えました。
何に向かって人は叫びたいのか?を考えたときに「王様の耳はロバの耳」を古井戸に向かって叫ぶ童話を思い出しました。
しかしそれでは持ち運ぶ商品にはなりません。
そして思いついたのが壺の中に向かって叫ぶイメージがふと浮かんできたのです。
その形状や名称の「叫びの壺」もゴロも良いので形状も広告イメージもできていました。
「叫びの壺」の広告イメージはすぐに完成していたのですが、肝心のその中の構造をどうしたらいいのかを半年程ずーっと考えていました。
壺の中に防音のクッションを詰める案、中に水を入れる案、防音カーテンの素材を中に張る案、などなどいろいろ試しながら検証を進めていましたが、なかなかうまく進まずに叫びの壺の企画は少し保留になっていまいました。
ところがある日、全く別件であるメーカーに行ったときその担当の人が「今トランペットに凝ってる」いう世間話になり、ちょっと聞かせてくださいよ!と頼んだところ、会議室にトランペットを持ってきてくれたのです。
そこで音合わせをしながらいざ曲演奏という時、「会議室だから消音器をつけます」と言ってトランペットの先になにか詰め物のようなものをしたのです。
すると音は聞こえるのですがすこしこもったような音になりながらも確実に音量が下がって演奏が始まったのです。
その詰め物というのが消音機(ミュート)だったのです。
これを見た瞬間、叫びの壺の構造とピーンとつながったのです。
ミュートの構造を叫びの壺に応用して商品は見事完成したのです。
私自身もこの商品はものすごくヒットするとは思っていませんでした。
しかし驚いたのはテレビ、ネット、雑誌などのメディアの掲載率がものすごく高く非常に面白がられる商品になったのです。
私自身もこの商品はメディア受けする名前、コンセプト、形状、と思っていたのですが予想以上でした。
ワールドカップの夜中の応援グッズとしての紹介、有名演歌歌手の練習グッズ、などなど私の予想もしないような使用シーンも次々と紹介されました。
テレビで紹介されると商品が売れ、またメディアで紹介される好循環が生まれたのです。
しかし売れるといっても大ヒットでものすごく数が出るものではないのですが、いつまでも売れ続ける息の長い商品になったのです。
当然類似がでるかなと思っていたのですが、発売から10年以上経った今でもこの商品の類似は見たことがありません。
でもおそらく私の開発した商品の中で知名度は一番高い商品であることは間違いないですね!